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デーボ【3】

ganga


デーボは、アメリカの某大都市の生まれなのだが、心理学を専攻して大学を出た後、心理カウンセラーとして少年刑務所に勤めていたという。


「その施設は重犯罪者専用で、職員は全員、銃を携帯しているようなところだったの」


「銃? あなたも?」と、わたしは訊いた。

デーボと銃を一緒にイメージするのは、むずかしい。


「わたしもよ」とデーボは答えた。



そこでの職を手放し、あるときインドへ渡った。


幼い頃から、神への傾倒はあったけれど、まわりにそれを理解できる資質の家族はなく、そういう意味ではとてもさみしい思いをしたようだった。


育った環境の中では、キリスト教にはあまり良いイメージを持てなかったので、東洋の神学に惹かれるようになった。


インドに渡ってしばらくは、あちこちのアシュラムに出入りしたり、本を読み漁ったりして学ぼうとしたが、あるとき、知的な理解については「もう、いい」と感じ、そこからは、内なる導きに従ってリシケシへと辿り着いた。


「リシケシのラクシュマンジュラからしばらく川を遡ったあたりに、祠を祀った洞窟があるの。知ってる?」


そのような洞窟の祠を一度、受けていたヨガのコースの師の案内で訪ねたことがあったので、そこの特徴を挙げると、


「いえ、そこではなくて、もっと奥のほう。

とても神聖なエネルギーで満ちているので、そこが気に入って、そこに寝起きするようになったの」


え! …洞窟に??


「ところが、ひと月ほどしたらインド人の暑季休暇に入ってね。

巡礼のインド人がたくさん、洞窟に詰めかけるようになって……」


それは容易に想像できた。

インドの夏は3月から5月頃。

暑すぎて外国人観光客が姿を消し、あちこちのヨガ・クラスも軒並み閉められると、入れ替わりのようにリシケシはインド人の巡礼客でごった返す。


「洞窟のエネルギーも乱れるし、わたしもじろじろ見られるので(そりゃそうだろう)、そこには落ち着いて住めなくなって、山の中へ入ったのよ。


歩いていたら、中が空洞になっている、とても素敵な樹があったので、そこに住むことにしたの」


「………何て?」


樹のうろに住む??

どうやったら、そんなことが可能なんだろう……


と混乱するわたしに、デーボは、その樹はバンヤン・ツリー(ガジュマルや菩提樹の類)の一種であり、中心部に人がひとり、ゆったり座れるほどのスペースが空いていたのだと説明した。


見てみたい、写真はないの?とダメ元で訊いたら、なんと、あるという。


あとでメール添付で送ってくれたのを見ると、それは枝のように細い幹が密集した巨木で、地面にちょうどアルファベットの「C」を描くようにして生えており、中が空洞になっているのだった。


「屋内」の写真もそこにはあったが、地面には布が敷かれ、「壁」のそこここには小さな神さまの絵や人形、そしてインドで祭祀に使われるマリゴールドの花輪のしおれたものが掛けてあり、ちゃんと生活している形跡があった。


でも、いちばん上まで吹き抜けで天井はない。


これ雨が降ったらどうするの、と訊いたら、雨季ではなかったので、一度も雨は降らなかったのだという。



デーボはここに、なんと三か月暮らしていた。


「三か月も、そんなところで何をするの!?」

と、わたしはばかげた質問をした。


瞑想して、神とともに過ごしていたのよ、という答えが返ってきた。


当然だ。

そのほかの何かがしたい人間は、こんなところには住まない。


食糧はどうしていたのか尋ねると、ときどき近隣の集落まで下りていき、手持ちの現金でフルーツを譲ってもらっていたのだそうだ。



そうして暮らして3か月後、たまたま山の中を歩いていて通りかかった(それも、なぜなんだろう……)グルジの信者に、デーボは「発見」された。






月1で満月🌕の夜にオンラインの瞑想会を開いています。

ご一緒できるとうれしいです🕊


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